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生物制御化学グループ

 
   → 第26回農薬相模セミナー版「フッ素系農薬のレヴュー2023」公開(2022年12月更新)

メンバー紹介

小林 修 :副主席研究員
      グループリーダー
横井 大洋:副主任研究員    
      博士研究員
伊部 公太:博士研究員
立元 智子:副主任研究員
布川真理奈:副主任研究員 
砂川 彩 :研究員
柴橋 佑希:派遣社員

 

研究内容

研究概容

新規生物制御物質の創製と環境配慮型反応の開発
本グループでは、有機合成化学や複素環化学を基軸として、生物制御物質や環境保全物質の創製研究に取り組んでいる。新しい生物制御物質(作物保護物質=主に化学農薬、抗菌剤、防カビ剤、防藻剤等)は、化学的あるいは生化学的な仮説に基づき分子設計した標的化合物を効率よく合成し、各種評価を進め、早期の開発候補化合物の創出を目指しています。合成した化合物の生物活性試験や作用機構の解明研究は、賛助会社や大学等と協同して進めています。また、環境薬剤として有用な揮発性化学物質(VOC)の捕捉剤、特にアルデヒド捕捉剤の開発の創製研究にも精力的に取り組んでいます。また、これらの合成研究の知見を援用し、紫外線感光機能を有する機能性アミン類等の光学材料の開発研究にも携わっています。さらには、自ら見出したこれらの有用化合物を簡便に効率よく製造できる工業的な製造方法を開発し、早期の実用化を目指しています。

研究トピックス

■新しい揮発性有機化合物(VOC)捕捉剤の開発
自動車や住宅のVOC対策に有効な捕捉剤「開発名:AC454」は、当グループが見出した新しいアルデヒド捕捉剤です。近年、自動車内や住宅室内のVOC排出濃度等の規制が強化され、高性能なVOC捕捉剤のニーズが高まっています。しかしながら、これまでのVOC捕捉剤では、自動車内装材等から発生するアセトアルデヒドやアミン類の捕捉能が低いという課題がありました。AC454は、アセトアルデヒドやアミン類に対して、高い捕捉能を有しています。そのため、自動車内装材等の部材に吹き付けるだけで、部材から発生するアルデヒド類やアミン類を大幅に低減することが可能です。さらに、AC454で処理した部材は、空間環境中のアルデヒド類やアミン類を捕捉する効果も有することが実証されています。本剤は、近日中に商品化され、AC454を有効成分として含む溶剤が販売される予定です。
■光学薄膜の開発研究
屈折率は光学素子を設計する上で重要な要素であり、材料中に屈折率の異なる微細領域を集積することで、例えば光導波路、ホログラム素子、回折格子等を設計できます。このような微細な屈折率パターンを形成するためには、ナノインプリント法、多層押出法が用いられてきましたが、どちらも複雑な製造装置と工程が課題とされてきました。紫外光露光処理を用いて屈折率を大きく変化させられる透明高分子を用いた屈折率変換材料は、このような応用に幅広く適用可能であると考えらます。本研究では、アミド構造を有する重合性化合物、及びそれから得られる重合体を紫外光により感光させることで屈折率が正に変化すること、該重合体を含む薄膜が光学用途に使用できることを見出しました。今後も新たな光学樹脂膜用モノマーの開発に向けた研究を行ってまいります。
■液晶用光配向剤の開発
液晶表示素子には様々な材料が使用されており、その品質の向上が常に求められています。その品質は配向膜の性能に依存している部分があります。
主鎖にアゾベンゼン骨格を有する液晶ディスプレイ用ポリイミド光配向膜は、液晶分子の配向性制御が高く、熱・光・薬品に対して安定で、高速動作に対応可能な配向膜として注目されています。本グループでは、非対称且つ特異な反応性置換基を有するアゾベンゼン誘導体及びその製造方法を創製し、光配向剤の開発に携わっています。

研究テーマ

1.作物保護物質の創製研究
2.環境配慮型反応の開発
3.光学特性制御を指向した機能性材料の開発

グループニュース

発表論文・著書

(1) Ogawa, Y.; Tokunaga, E.; Kobayashi, O.; Hirai, K.; Shibata, N. iScience 2020, 23, 101467 (Open access).
(2) フッ素系農薬の動向; 平井憲次,小林修, 有機フッ素化合物の最新動向, p161-182 (2018).

公開特許

特開2022-001620
重合性化合物、重合体、光学薄膜
特開2021-155381
O-置換ヒドロキシルアミン誘導体の製造方法
特許6907424(特願2021-080785)
ジアミン化合物、ポリマー、液晶配向剤、液晶配向膜、及び液晶表示素子、並びに、液晶配向膜の製造方法、ジアミン化合物の製造方法、ジニトロ化合物及びジニトロ化合物の製造方法、保護ジアミノ化合物
特開2021-023618
アルデヒド類の捕捉剤
特開2021-023616
アルデヒド類の捕捉剤
特開2020-158452
α-(アミノオキシ)カルボン酸類の製造方法
特開2020-006364
アルデヒド含有水用処理剤
特開2020-006161
アルデヒド捕捉剤
特開2020-006160
アルデヒド捕捉剤
特開2020-006159
アルデヒド捕捉剤
特開2020-006158
消臭性構造物
特開2019-206482
ピラゾール誘導体、その製造方法及びそれを有効成分として含有する農園芸用殺虫剤
特開2019-187817
アルデヒド類の捕捉剤
特開2019-156841
アゾベンゼン誘導体及びその製造方法
特開2018-108578
アルデヒド捕捉剤
特開2018-108360
アルデヒド捕捉剤

連絡先

小林 修
副主席研究員
公益財団法人相模中央化学研究所
生物制御化学グループリーダー
〒252-1193 神奈川県綾瀬市早川2743-1
TEL: 0467-77-4116(居室)0467-77-2445 (実験室)
FAX: 0467-77-4113
E-Mail: okobayashi"at"sagami.or.jp ("at"を@に置換して下さい。)
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Osamu KOBAYASHI
Senior Fellow
Agrochemicals & Environmental Chemistry Group Leader 
Sagami Chemical Research Institute
Hayakawa 2743-1, Ayase, Kanagawa 252-1193, JAPAN
Phone: +81-467-77-4116 (office) / +81-467-77-2445 (lab.)
Fax: +81-467-77-4113
E-Mail: okobayashi"at"sagami.or.jp (replace "at" with @)
相模中央化学研究所パンフレット
公益財団法人相模中央化学研究所
〒252-1193
神奈川県綾瀬市早川2743-1
TEL.0467-77-4112
FAX.0467-77-4113
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公益目的事業
1.研究に関する事業:学術や産業の進歩・発展に寄与するため、化学に関する基礎研究から産業界との共同研究まで、総合的な研究事業を展開します。
2.研究成果等を広く一般の利用に供する事業:本研究所で生まれた研究成果は逸早く特許出願、学会発表、学術論文投稿等を通じて社会に公開するとともに、 産業界の要望に応じて可能な範囲でライセンスいたします。
3.人材育成に関する事業:大学学部学生や大学院生を受け入れ、化学に関わる基礎から専門的な教育を実施します。
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