理事長挨拶

相模中央化学研究所は、日本の化学産業の振興に資する独創的な科学技術の創出を目的とする財団法人として１９６３年８月に設立され、１９６５年４月から研究活動を開始しました。以来、特定公益増進法人として、学術や産業の進歩・発展に寄与する公益事業を積極的に推進しながら、２０１０年３月には「公益財団法人」の認定を取得し、公益財団法人相模中央化学研究所として新たな一歩を踏み出しました。この間、半世紀以上にわたり、本研究所は特に化学分野に関する多くの有用な技術を生み出し、我が国の化学産業の発展に大きく貢献するとともに、大学や企業など各方面で目覚しい活躍をされている多くの人材を輩出してまいりました。これもひとえに、賛助会社の皆さまや研究所先達の方々の多大なるご支援、ご指導の賜物と深く感謝申し上げます。
本研究所は昨年度、令和の時代にさらなる飛躍を果たせるよう、「５年後の本研究所のあるべき姿」を見据え、その実現に向けて慎重に議論を重ねながら５ケ年中期計画「ＳＡＧＡＭＩ２０２６」の策定を行いました。高い公益性が求められる公益財団法人におきましては、社会的信頼を確保しながら、研究活動で得られた知識や技術を広く社会に還元するという社会的使命を果たさなければなりません。そのために私共は、研究事業や財務等に関する情報公開を通して法人運営の透明化及び適正化を図るとともに、創立の理念の実現に向けて日々研究活動に邁進してまいります。

本研究所は、次の半世紀の発展に向け、長年にわたり培ってきた有機合成化学分野に関する学術的資産を有効に活用することで新たな技術シーズの創出を図るとともに、一方で、共同研究を通して広く産業界と連携しながら、多様化する社会ニーズに応える先進的な科学技術の開発を進めます。また、未来の産業創造と社会変革を担う創造性豊かな実践的研究者の育成に努め、社会の持続的発展と経済の健全な成長に微力ながらも貢献していく所存でございます。

今後とも皆様からのより一層のご支援とご鞭撻を賜りますよう、お願い申し上げます。

公益財団法人相模中央化学研究所
理事長（代表理事）　西澤　恵一郎
令和５年４月１日